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HANDS-ON ・ DAY 2

自分の業務を、動くものにする

Claude Code × Obsidian 活用研修|アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 御中
題材 ご自身の業務進め方 6セクション講師 安田 光喜
START

今日やること

Day2 の題材は、ご自身の業務です。架空の案件ではありません。いま実際に手を動かしている作業のなかから1つ選び、それを動くものに変えます。あわせて、御社テンプレートに沿ったスライドを作り、Day1 で育てた保管庫が崩れない状態にして帰ります。

今日の前半は、手を動かしません。講師のデモを見ていただきます。Day1 の終わりに出た「ブラウザの Claude で足りるのではないか」「業務での使い所が見えない」に、画面で答えるためです。

今日の3本柱

この3つを持ち帰ります
  • 業務を1つ、動くものにする ワークシートに書いて /gyomu に渡し、要件から実装まで通します
  • テンプレート準拠のスライドを作る 与えたテーマから、御社の体裁で pptx を生成し、修正まで回します
  • 保管庫を回る状態にする たまる一方の状態を、放っておいても崩れない形にします

今日の流れ

全 [360min](休憩 [20min]・昼 [60min] を含む)
  • [10min] 今日使う道具を入れます。全員一緒にやります
  • [35min] 昨日の疑問に答えます。デモ3本を見ていただきます
  • [45min] ご自身の業務を1つ出します。ワークシート → /gyomu
  • [70min] 設計書を書き、実装まで進めます
  • [60min] テンプレート準拠のスライドを作ります
  • [45min] 保管庫を、回る仕組みにします
  • [15min] 持ち帰るものを確かめます

今日使うもの

起動場所 PMVaultSkill /gyomu ・ /vault-keepキット adl-deck-kit-v2成果物 動くもの1つ + スライド1本

Day1 と違い、今日は演習用の別フォルダを使いません。Day1 で育てた PMVault の中で作業します。作ったものは保管庫の中に 50_業務改善/ として残るので、研修後もそのまま続きから進められます。

事前の準備は要りません。今日使う道具は、これから全員で一緒に入れます。うまく入らなくても、その場で講師が見ます。

今日いちばん大事なこと1つ動けば十分です。2つ目からはご自身で増やせます。時間内に実装まで届かなくても、要件が言葉になった時点で持ち帰る価値があります。
00

今日使う道具を入れます

最初の10分で、Skill 2本とスライド生成キットを入れます。全員一緒に進めますので、この場でやってください。入らなかった方は手を挙げてください。

落とすもの adl-skills.zip ・ adl-deck-kit-v2.zip置き場所 ~/.claude/skills/ ・ 書類フォルダ目安 [10min]
1
落とす
教材サイトから2つダウンロードする

この資料が置いてあるページの「配布物」から、次の2つを落としてください。

落とすもの
  • adl-skills.zip … 今日使う Skill 2本(gyomu と vault-keep)
  • adl-deck-kit-v2.zip … 御社テンプレート準拠のスライド生成キット
2
置く
Claude Code に頼んで置いてもらう

Claude Code を起動して、次をそのまま送ります。展開から設置までやってくれます。

Claudeへの指示(コピーして送る)
ダウンロードフォルダにある2つのZIPを展開して、次のとおり置いてください。

1. adl-skills.zip を展開し、中の gyomu フォルダと vault-keep フォルダを
   ~/.claude/skills/ に置く。adl-skills フォルダごとではなく、中の2つをそれぞれ置く。
   skills フォルダが無ければ作る。

2. adl-deck-kit-v2.zip を展開し、できたフォルダを ~/Documents に置く。

終わったら、~/.claude/skills/ の中身と、~/Documents/adl-deck-kit-v2 の中身を見せてください。
自分で置きたい方へMac は Finder のメニューから「移動」→「フォルダへ移動」を選び ~/.claude/skills と入力すると開きます。Windows はエクスプローラーのアドレス欄に %USERPROFILE%\.claude\skills と入力します。開いたウインドウに gyomu と vault-keep の2つをドラッグしてください。.claude は先頭がドットのため、通常は一覧に出てきません。
よくある間違い~/.claude/skills/adl-skills/gyomu/ のように1階層深くなると読み込まれません。skills の直下に gyomu と vault-keep が並ぶ形が正解です。
3
確かめる
起動し直して、候補に出るか見る

Claude Code をいったん終了し、起動し直します。入力欄で / を打って、候補の一覧に gyomu と vault-keep の両方が出ていれば完了です。

出てこないとき、見るところ
  • ~/.claude/skills/gyomu/SKILL.md があるか
  • フォルダが1階層深くなっていないか
  • 置いたあとに起動し直したか(起動中に置いても読み込まれません)

自分で見る代わりに、こう聞いても構いません。

Claudeへの指示(コピーして送る)
~/.claude/skills/ の中身を見せてください。
gyomu と vault-keep が正しく入っているか確認してください。

達成チェック

TipsSkill をここに置くと、どのフォルダで Claude Code を起動しても呼べます。研修が終わったあと、ご自身の別の作業フォルダでもそのまま使えます。
01

昨日の疑問に答えます

ここは見ていただくだけです。手を動かしません。講師が3本のデモを実演します。3本とも、同じことをブラウザの Claude で試してからお見せします。

やること 見る目安 [35min]

ブラウザの Claude と Claude Code の違い

違いが出るのは「最後の10分」です
  • ブラウザの Claude は、答えを返します
  • Claude Code は、ファイルを開いて、読んで、書いて、保存します
  • 出てきた答えを会社の体裁に整えて、名前を付けて、所定の場所に保存する。この作業が残るかどうかが分かれ目です
  • 47個のファイルに同じ処理をするなら、その10分が47回発生します

デモ3本と、注目していただきたいところ

A
[15min]
御社テンプレートに沿ったスライド生成

整形していないヒアリングメモから、提案骨子8枚を生成します。注目していただきたいのは、生成された pptx を開いた直後です。ロゴもフォントも配色も入っています。さらに PowerPoint の「レイアウト」メニューを開くと、公式テンプレートの26レイアウトがそのまま並びます。テキストボックスの中身も編集できます。画像で貼られているのではありません。

B
[10min]
47個の Excel を1枚に集約

全国47支店から届いた売上ファイルをまとめます。ヘッダーの位置もシート名も列の順番もバラバラです。注目していただきたいのは2点。処理の途中でフォーマットの違いを自分で見つけていること。そして、読めなかったファイルがあれば黙って落とさず、理由つきで報告してくることです。

C
[10min]
過去案件フォルダから共通論点を抽出

3案件24ファイルを読み、共通して出ている論点を洗い出します。提案書の pptx も試算の xlsx も読みます。注目していただきたいのは、根拠にしたファイル名と記述を挙げてくるところです。手作業では追えない部分です。

Tipsデモの間、ご自身の業務のどれに当てはまりそうかを考えながら見てください。次のセクションでその話をします。「これは使えそう」と思った瞬間があれば、メモしておいてください。
02

ご自身の業務を1つ出す

ここから手を動かします。2段構えです。先にワークシートへ書き、そのあと /gyomu に渡して壁打ちに入ります。

場所 Claude Code(PMVault を開いたもの)使うもの AI活用ワークシート、/gyomu成果物 50_業務改善/01_〇〇/設計書/目安 [45min]
1
考える
直近1ヶ月で、面倒だと思った作業を1つ

小さなことで構いません。むしろ小さい方が今日のうちに動きます。「経営管理」のような大きな単位ではなく、そのなかで一番時間がかかっている部分を選んでください。

思いつかない場合は、次のどれかに近いものがないか探してみてください。

  • 複数のファイルから数字を集めて1つの表にまとめる
  • 決まった形式の資料を、毎回同じ手順で作る
  • 受け取った文書を読んで、必要な部分を別の場所に転記する
  • 前年や前月の資料を探して、数字だけ差し替える
  • 社内から届く申請や報告を確認して、不備があれば差し戻す
2
書く
AI活用ワークシートに書く [15min]
達成条件
  • 対象の作業が1つに絞れている
  • その作業を始めるとき、手元に何があるかが書けている
  • 終わったとき、何がどこにできているかが書けている
  • 月に何回発生し、1回どのくらいかかるかが書けている

きれいに書く必要はありません。箇条書きの走り書きで十分です。このワークシートは提出する書類ではなく、次のステップで貼り付けるための下書きです。

Tips埋まらない欄があっても先に進んでください。足りない部分は、このあと Claude Code が質問してきます。空欄のまま渡して構いません。
3
実行
/gyomu に貼って送る

PMVault で Claude Code を起動し、ワークシートに書いた内容をそのまま貼り付けて送ります。Skill はユーザー設定に置いてあるのでどのフォルダでも呼べますが、保管庫の中で起動すると成果物の置き場所を聞かれずに進みます。

Claudeへの指示(自分の内容に書き換えて送る)
/gyomu

(AI活用ワークシートに書いた内容をここに貼る)

送ると、質問が返ってきます。1回に1〜2問です。答えていくと、4回から8回のやり取りで要件が固まります。

注意「経験です」「勘です」と答えると、そこで終わりません。「先月やったときはどうしましたか」「その前の月は」と、過去の実物を1件ずつ聞いてきます。面倒に感じるところですが、ここが今日の山場です。3件並べると、だいたいルールの形になります。
4
答え合わせ
Vault に何ができたかを見る

要件が固まると、Obsidian 側に新しいフォルダが現れます。

50_業務改善/
├── README.md
├── INDEX.md
└── 01_〇〇/
    └── 設計書/
        ├── 00_ローデータ.md
        ├── 01_壁打ち記録.md
        └── 02_要件定義.md

00_ローデータ.md には、最初に貼った内容がそのまま残っています。3ヶ月後に「なぜこれを作ったのか」を追えるのはこのファイルだけになります。

初回だけ、Vault のルールファイル(WIKI.md・index.md・README.md)にも追記が入ります。追記のみで、もとの記述は消えません。何をどこに足したかは報告されます。

自分で考えるポイント

達成チェック

講師が回ります壁打ちの途中で、講師が席を回って何名かの要件を一緒に見ます。ご自身の番でなくても、ほかの方の業務を見ると判断の物差しが手に入ります。判定は3つに分かれます。すぐできる(入力も出力もファイルかテキストで、判断基準を言葉にできた)、準備すればできる(入力が紙や社内システムの画面にしかない、または判断基準がまだ言葉になっていない)、向いていない(対面の交渉が中心、身体を動かす、暗黙知そのものが業務の価値、年1回しか発生しない)。「向いていない」と言われることがありますが、それは仕込みどおりです。3件相談すれば1件は出ます。全部できると言う道具は信用できません。
うまくいかないとき/gyomu が候補に出ない場合は、~/.claude/skills/gyomu/SKILL.md が置けているかを確認してください。置いたあとに起動したセッションでないと読み込まれないので、いったん終了して起動し直します。フォルダが skills/gyomu/gyomu/ と二重になっていることもあります。「~/.claude/skills/ の中身を見せてください」と頼めば確認できます。
発展課題(早く終わった方向け):2件目を出す1件目が終わったら、もう1つ別の作業で /gyomu を実行します。連番が 02_ で振られ、INDEX.md に行が増えることを確認してください。2件並ぶと、どちらを先に作るべきかの判断材料が出ます。削減時間の見込みを比べてみてください。
03 ・ 本日の山場

設計書から実装まで

午前に固めた要件から先へ進みます。ご自身の操作は「続けてください」と伝えるだけです。ただし途中で一度だけ、判断を求められます。

場所 Claude Code(PMVault)成果物 動くもの+使い方+ダミーデータ目安 [70min]
1
実行
設計書を書かせる [25min]

午前の続きから再開します。セッションを閉じてしまった場合は、次のように伝えれば続きから進みます。

Claudeへの指示(コピーして送る)
50_業務改善 の中の、いま作りかけのプロジェクトの続きをやりたいです。
設計書フォルダの中身を読んで、いまどこまで決まっているかを教えてください。
そのうえで、次に書くべき設計書に進んでください。

設計書/ にファイルが増えていきます。全部で最大9本ですが、小さい業務なら5本で終わります。要件定義、データ仕様、テスト観点の3本は必ず作られます。

Tips途中で「この項目はどうしますか」と聞かれます。分からない場合は「分かりません」と答えて構いません。分からないこと自体が情報になり、前提条件として設計書に書き残されます。
2
判断する
実装してよいかを決める [5min]
要約に含まれるもの
  • 何を作るか(1文)
  • できるようになること(3つまで)
  • できないこと・対象外(2つ以上)
  • 想定される作業時間の削減(幅で示されます)

A4 1枚に収まる長さの要約が出ます。設計書を全部読む必要はありません。この要約だけ読んで判断してください。

違うと思ったら、その場で伝えてください。設計書が直され、もう一度要約が出ます。何度でも構いません。

ここが今日いちばん重要ですご自身が判断を求められるのは、この1回だけです。ここを通すと、あとは実装まで自動で進みます。「できないこと・対象外」の欄を必ず読んでください。ここに書かれていないことは、作られません。
3
待つ
実装とドキュメントが並列で走る [30min]

承認すると、3つの作業が同時に始まります。画面が慌ただしくなりますが、止まっているわけではありません。

同時に動くもの
  • 実装 … アプリ本体、ダミーデータ、動作確認
  • ドキュメント化 … 設計書から報告書や解説を起こす
  • 整理 … INDEX.md の更新、ファイルの見出し情報の付与

難しい判断が要る実装には賢いモデル、決まった形を書くだけの作業には軽いモデルが割り当てられます。同じ速さで全部やるより、待ち時間が短くなります。

Tips待っている間、Obsidian 側を眺めていてください。設計書/ と ドキュメント/ にファイルが増えていくのが見えます。何が起きているかが分かると、待ち時間の不安がなくなります。
確認を求められる場面新しいライブラリのインストールが必要なとき、パソコンの設定を変えるときは聞かれます。それ以外は聞かれません。聞かれたら内容を読んで判断してください。
4
試す
受け取ってその場で動かす [10min]

実装が終わると、3つが揃った状態で渡されます。

受け取るもの
  • 使い方 … 手順が番号付きで書かれたもの
  • ダミーデータ … 本番データを使わずに試せるもの。例外パターンが2件以上混ざっています
  • プロンプト例 … そのままコピーして送れるものが3本。うち1本は「うまくいかなかったときの直し方」です

その場で1回動かしてください。設計書/07_テスト観点.md に確認項目の表があります。上から1つずつ通します。

本番データはまだ使わないでくださいまずダミーで動かします。数字が合うことを自分の目で確かめてから、本番データに差し替えてください。動いたように見えて数字が違う、が一番まずい状態です。

自分で考えるポイント

達成チェック

うまくいかないとき途中で止まったように見えたら、まず5分待ってください。並列で動いているため、画面に何も出ない時間があります。それでも動かない場合は「いまどこまで進んでいますか」と聞けば、状況が返ってきます。エラーが出た場合は、その文をそのまま貼り付けて「これは何が原因ですか」と聞くのが最短です。
04

テンプレートに沿ったスライドを作る

朝のデモAでご覧いただいたものを、ご自身の手で通します。テーマを渡すと、御社テンプレートの体裁で pptx が出ます。作って終わりにせず、直して作り直すところまでやります。

場所 ~/Documents/adl-deck-kit-v2題材 午前に作ったものの報告成果物 output/deck.pptx目安 [60min]

このキットが何をしているか

3段階で進みます
  • 計画 何を何ページで言うかを plan.yaml に書く
  • 確認 ストーリーラインを表で出す。ここで人が見て承認する
  • 生成 テンプレート原本から作った台紙の26レイアウトを使って pptx にする

ロゴ、配色、書体、ページ番号はテンプレートのスライドマスターから自動で入ります。描き直していないので崩れません。生成後、PowerPoint の「レイアウト」メニューには公式の26レイアウトがそのまま並びます。

1
考える
何を、誰に、何ページで

スライドを作る前に、3つだけ決めます。ここが曖昧なまま生成すると、枚数だけ多くて言いたいことが伝わらないものが出ます。

  • いちばん言いたいことを1文で。これが表紙とまとめに入ります
  • 誰に見せるか。上司か、他チームか、経営層か。読み手で必要な前提の量が変わります
  • 何ページか。10ページ前後が目安。多くすると1枚あたりが薄くなります
題材が決まらない方へ午前に作ったものの報告スライドにしてください。「何を作ったか」「何がどれだけ楽になるか」「次に何をするか」の3点で組めます。上司に説明する場面を想像すると書きやすくなります。
2
書く
計画を作らせる指示を、自分の言葉で書く
達成条件
  • 作業フォルダが adl-deck-kit-v2 であることを伝えている
  • いちばん言いたいことを1文で渡している
  • 読み手と枚数を指定している
  • 素材の在り処(午前の設計書やドキュメントのパス)を渡している
  • いきなり生成せず、先にストーリーラインを見せるよう求めている

キットには templates/plan_template.yaml という雛形と、docs/ に書き方の説明が入っています。中身を読ませてから書かせると精度が上がります。

書くときに使える情報「docs/WORKFLOW.md と templates/plan_template.yaml を読んでから」と最初に伝えると、キットの作法どおりに進みます。素材は午前に作った 50_業務改善/01_〇〇/ の中にあります。設計書の要件定義とドキュメントを渡してください。
3
実行
ストーリーラインを見て、承認してから生成する

計画ができたら、まず構成だけを表で出させます。この段階なら直すのが早いためです。

Claudeへの指示(コピーして送る)
plan.yaml ができたら、まず bin/storyline.py で構成を表示してください。
必要なライブラリが入っていなければ入れてください。

表示された内容を見て、私が「これでよい」と答えるまで生成に進まないでください。

表が出たら、次の3点を見てください。

ストーリーラインで見るところ
  • 1ページに言いたいことが1つに絞られているか。2つ入っていたら分ける
  • 順番を入れ替えても意味が通ってしまわないか。通るなら流れができていない
  • 読み手が知らない前提から始まっていないか

直したい点を伝えて、直った表をもう一度見ます。納得したら生成に進みます。

Claudeへの指示(コピーして送る)
この構成でよいので、bin/build.py で生成してください。
生成が終わったら bin/audit.py にかけて、指摘があれば直してください。
4
直す
開いて、直して、作り直す

生成された output/ の pptx を PowerPoint で開きます。ここからが本番です。

開いたら見るところ
  • 文字がはみ出していないか。1ページに詰め込みすぎていないか
  • 「レイアウト」メニューに公式の26レイアウトが並んでいるか
  • テキストボックスをクリックして、中の文字が編集できるか(画像で貼られていないか)
  • 数字や固有名詞が、渡した素材と合っているか

直したい箇所が見つかったら、PowerPoint 上で手直しするのではなく、指示を出して作り直します。同じことが次回も起きるためです。

Claudeへの指示(例。自分の状況に合わせて書き換える)
5ページ目の文字が多すぎるので、要点を3つに絞って作り直してください。
あと、7ページ目は表よりグラフの方が伝わると思います。変更してから生成し直してください。

この往復を2回か3回まわします。1発でできあがることはありません。直すのが速いことがこのキットの価値です。

やらないことPowerPoint 上で直接手直しして終わりにしないでください。次に同じテーマで作るとき、また同じ直しが必要になります。plan.yaml を直して作り直すと、直し方そのものが残ります。

自分で考えるポイント

達成チェック

うまくいかないときライブラリが足りないというエラーが出たら、そのエラー文をそのまま貼り付けて聞いてください。必要なものを入れて実行し直します。生成はできたが体裁が崩れている場合は、bin/audit.py の出力を貼り付けて「これを直して」と伝えます。台紙が壊れている場合は assets/ADL_Base.pptx が入っているか確認してください。
発展課題(早く終わった方向け):同じ素材で読み手を変える同じ plan.yaml の素材のまま、読み手を「上司」から「経営会議」に変えて作り直します。前提の説明量、1ページあたりの情報量、結論の位置がどう変わるかを見比べてください。2本を並べると、読み手を指定することの効き方が分かります。
05

たまる一方の保管庫を、回る仕組みにする

Day1 で、記録がたまる仕組みまで作りました。ただし入れる仕組みだけでは、3ヶ月で見なくなります。今日は保つ側を作ります。あわせて、普段お使いのブラウザ版 Claude での会話を、保管庫に持ち込む方法を扱います。

場所 Claude Code(PMVault)使うもの /vault-keep成果物 会話ログ1本 + 迷子検知の仕組み目安 [45min]
1
考える
たまる一方だと、何が困るか

手を動かす前に、ご自身の保管庫を開いて眺めてください。Day1 から今日までで、すでにファイルが増えているはずです。

  • 直下に、置き場所が決まらないまま残っているファイルはありませんか
  • 3ヶ月後、いまのペースで増えたとき、目的のノートを探せそうですか
  • 1ヶ月前に書いたメモが、いまも正しいかどうか、見ただけで分かりますか

困るのは、量ではなく古い情報を根拠にしてしまうことと、入口が増えて構造が崩れることの2つです。今日はこの2つに手を打ちます。

2
整理する
ブラウザの Claude との使い分けを決める [15min]

普段はブラウザ版やデスクトップアプリの Claude をお使いの方が多いと思います。やめる必要はありません。役割が違います。

ブラウザ・アプリの ClaudeClaude Code
得意なこと調べる、相談する、下書き、壁打ち手元のファイルを開く・書く・保存する
出力画面のなか。転記は人の作業.xlsx や .pptx が手元に生成される
あとに残るもの会話を開き直せば読める。手元には何も残らないファイルとして残り、次のセッションでも読める
向いている場面移動中、思いつき、まだ形にならない相談出力を保存する作業、繰り返し発生する作業

線引きは1つです。出てきたものを保存するかどうか。保存しないならブラウザで足ります。

ただし、ブラウザで相談した内容は、そのままでは資産になりません。3ヶ月後に「あのとき何を検討したか」を引き出せません。持ち込む工程が要ります。

会話を1本、持ち込んでみる

達成条件
  • ブラウザで話した会話が 30_インプット/.raw/ に置かれている
  • ファイル名が YYYY-MM-DD-chat-テーマ.md の形になっている
  • 先頭に type / status / date / topic / tags と、どこで話したかの source が書かれている
  • 取り込みのとき「決まったこと」と「検討しただけのこと」を分けるよう指示している

直近1ヶ月で、ブラウザの Claude と話した内容を1つ選んでください。仕事に関するものなら何でも構いません。会話を全選択してコピーし、保管庫の入口に貼り付けます。

30_インプット/.raw/2026-08-03-chat-需要予測の見直し.md

貼り付けたら、取り込みの指示を自分の言葉で書きます。次の4点を必ず含めてください。

書くときに使える情報会話には、途中で捨てた案や、AIが根拠なく言ったことが混ざります。そのまま取り込むと、あとで根拠として使ってしまいます。「決まったことと検討しただけのことを分ける」「私が言ったこととAIが言ったことを分ける」「出典が示されていない主張には未確認と付ける」「そのまま使える結論があれば1枚のノートにする」の4点を伝えてください。
何本もある場合1本ずつ貼らずに、30_インプット/.raw/chat/ にまとめて置いて、フォルダごと渡してください。「同じテーマの会話は1枚にまとめて」「重複している話題があれば言って」と足すと、10本でも1回で片づきます。人が読み返すのは現実的ではないので、ここは明確に速いところです。
3
作る
構造が崩れたときに気づける仕組みを作る [20min]

保管庫を使っていると、必ず直下にファイルが置かれます。急いでいるとき、他のアプリから保存したとき、AI が場所を間違えたとき。放っておくと、そこが第二の入口になって構造が崩れます。

/vault-keep を呼んで、直下の見張りを作ります。

Claudeへの指示(コピーして送る)
/vault-keep

直下に置かれた迷子ファイルを見つけて報告する仕組みを作りたいです。
まずは移動せず、報告だけにしてください。
達成条件
  • 直下にあってよいもの(README / CLAUDE / AGENTS / WIKI / index と、番号付きフォルダ)が一覧になっている
  • それ以外が直下にあると検知される
  • 検知したものが _inbox/README.md に、ファイル名と置き場所の候補つきで書かれる
  • 候補が分からないものは「不明」と書かれ、勝手に動かされない
  • 削除は一切しない

できたら、試しに保管庫の直下に適当なファイルを1つ作ってから動かしてみてください。検知されて報告に出れば成功です。

安全のためにいきなり移動させないでください。最初の1週間は報告だけにして、何を動かすつもりかを見ます。意図と違う判断をしていないか確認してから、実際に移す形へ切り替えます。切り替えも Claude Code に頼めば直します。
4
載せる
定期実行に載せる [10min]

思い出してやるものではないので、自動で動かします。Day1 で作った自動整理と同じ要領です。

Claudeへの指示(コピーして送る)
いま作った迷子ファイルの検知を、1日1回・朝9時に自動で動かすように登録してください。
最初の1週間は報告だけにしたいので、移動はせず _inbox/README.md に書くだけにしてください。
標準出力と標準エラーは ~/Library/Logs/pmvault-keep.log に出してください。

登録できたら、その場で1回動かして結果を教えてください。
週に1回、3つだけ見る_inbox/README.md に何件たまっているか(毎週5件以上なら入口の使い方を見直す)、40_運用/log.md に整理の行が毎日あるか(無ければ止まっている)、ログにエラーが出ていないか。この3つが問題なければ、それ以上は見なくて構いません。

自分で考えるポイント

達成チェック

発展課題(早く終わった方向け):月ごとの区切りを作る/vault-keep に「月ごとの区切りを作りたい」と伝えます。時系列で増え続けるもの(入口・会話ログ・操作ログ)だけを月で切ります。概念や事例のノートは日付で探すものではないので触りません。当月のフォルダには手を触れず、月が変わったときに前月ぶんをまとめて移すのが安全です。パス付きのリンクだけ張り直す点にも注意してください。
発展課題(早く終わった方向け):古いノートに気づける仕組み一定期間動いていないノートを一覧にして報告させます。移動も削除もしません。数字を含むノートは6ヶ月、案件の記録は12ヶ月が目安です。「古いので消しました」は絶対にやらせないでください。判断は人がします。確認した日を last_checked として1行足しておくと、次回の差分が分かります。
06

持ち帰るものを確かめる

今日作ったものが、明日からご自身の手で回るかどうかを確認します。

やること 確認する目安 [15min]

手元にあるもの

3つ揃っていますか
  • 動くもの1つ 50_業務改善/01_〇〇/ に、使い方とダミーデータつきで
  • スライド1本 テンプレート準拠の pptx と、それを作った plan.yaml
  • 回る仕組み 会話の持ち込み先と、直下の見張り

1つでも欠けている方は、いまのうちに講師に声をかけてください。欠けたまま持ち帰ると、明日には手が止まります。

明日からの3つ

この順で進めると続きます
  • 今週中 今日作ったものを、実際の業務データで1回動かす。数字が合うか自分で検算する
  • 来週 2件目を /gyomu で作る。1件目より半分の時間で終わります
  • 1ヶ月後 50_業務改善/INDEX.md に、見込みと実測を並べて書く
2件目の題材はログから見つかります40_運用/log.md に、送った命令がたまっています。同じことを何度も頼んでいたら、それが次の候補です。「log.md の今月分を読んで、繰り返している作業を3つ挙げて」と聞けば出てきます。
Skill はご自身で作れます今日使った /gyomu も /vault-keep も、日本語の指示だけで作ったものです。コードは1行も書いていません。配布した gyomu/doc/how_this_skill_was_made.md に、実際に書いた指示を手順ごとに整理してあります。ご自身の業務に合わせた Skill を作るときの下敷きにしてください。
予備

題材が固まらなかった方へ

ご自身の業務が今日のうちに決まらなかった場合は、こちらを進めてください。決まった道筋があるので、手が止まりません。

A
47個の Excel を1枚にまとめる

朝のデモBで使った47ファイルのフォルダをお渡しします。集計の指示は出しません。「このフォルダをどうにかしてください」から始めてください。

ファイルによってヘッダーの位置もシート名も列の順番も違います。金額の列がないものもあります。1回で通らないはずです。何が足りなかったかを考えて、指示を足していってください。指示の書き方そのものの練習になります。

B
過去案件フォルダから論点を抜き出す

デモCで使った3案件24ファイルをお渡しします。共通して出ている論点を、根拠のファイル名つきで洗い出させてください。

そのまま 04 のスライド生成につなげられます。抜き出した論点を素材にして、提案骨子のスライドを作ってみてください。

CHECK

理解度チェック

Q1. Skill(gyomu / vault-keep)を置く場所は?
保管庫の直下
~/.claude/skills/ の直下にそれぞれ
~/.claude/skills/adl-skills/ の中
書類フォルダ
正解:~/.claude/skills/ の直下にそれぞれ。1階層深くなると読み込まれません。ここに置くと、どのフォルダで起動しても呼べます。
Q2. スライド生成で、pptx を作る前に人が承認するものは?
配色とフォント
ページ数だけ
ストーリーライン(何ページで何を言うかの表)
承認する場面はない
正解:ストーリーライン。生成後に構成を直すと手戻りが大きいため、表の段階で見ます。1ページに言いたいことが2つ入っていないかを確認します。
Q3. ブラウザの Claude と Claude Code の使い分けの線引きは?
出てきたものを保存するかどうか
質問が難しいかどうか
日本語か英語か
社内情報を含むかどうか
正解:保存するかどうか。保存しないならブラウザで足ります。保存するなら Claude Code の方が早く、成果物がファイルとして残ります。
Q4. ブラウザでの会話を保管庫に取り込むとき、必ず分けるべきものは?
日本語と英語
長い発言と短い発言
最初の質問とそれ以降
決まったことと、検討しただけで決まっていないこと
正解:決まったことと検討しただけのこと。会話には途中で捨てた案が混ざるため、分けずに取り込むと、あとで根拠として使ってしまいます。
Q5. 直下の迷子ファイルを検知する仕組みで、絶対にやらせないことは?
_inbox へ移動すること
ファイルを削除すること
置き場所の候補を書くこと
log.md に記録すること
正解:削除。移動と印付けだけにして、削除は必ず人が判断します。候補が分からないファイルは「不明」と書かせ、動かさせません。
WRAP UP

2日間のまとめ

Day1 で作ったもの
  • 第二の脳としての保管庫。4つの手がかりで、あとから引き出せる形にした
  • 調べたもの、決めたことが1か所にたまる状態
Day2 で作ったもの
  • ご自身の業務のうち、Claude Code で回せるものが1つ、実際に動く状態で
  • 回せないものはどれで、なぜ回せないのかの判断基準
  • テンプレートに沿ったスライドと、それを作り直せる計画ファイル
  • たまる一方だった保管庫を、放っておいても崩れない状態に

Day1 が「ためる」、Day2 が「使う・保つ」です。ためるだけでは資産になりません。今日作った3つのうち、どれか1つでも来週も動いていれば、この2日間は回収できています。

発展

研修後にやること

1週間以内:2件目を作る1件目が動いたら、間を空けずに2件目に入ってください。1件目は手順を覚えるのに時間がかかりますが、2件目は半分の時間で終わります。INDEX.md に2行並ぶと、どちらが効いているかを比べられます。
2週間以内:自動実行を通常運転に切り替える迷子ファイルの検知を「報告だけ」で1週間動かしたら、ログを見て意図と違う判断がないかを確認します。問題なければ、実際に移動する形へ切り替えてください。切り替えも「移動する形にして」と伝えるだけです。
1ヶ月以内:削減時間を実測する設計書に書いた削減見込みと、実際にどれだけ減ったかを比べます。INDEX.md の下部に、見込みと実測を並べる欄があります。見込みだけを残さないでください。実測が入ると、次に何を作るべきかの判断が変わります。
3ヶ月以内:チームに渡す動いているものができたら、同じ業務をしている方に渡せます。渡すときに必要なのは ドキュメント/使い方_〇〇.md とダミーデータです。設計書は渡さなくて構いません。「この使い方を、はじめて触る人向けに書き直して」と頼むと整います。
HELP

詰まったときの即応

症状初動
Skill が候補に出ない~/.claude/skills/gyomu/SKILL.md があるか確認。1階層深くなっていないか、置いたあとに起動し直したかも見る
質問がなかなか終わらない正常です。4〜8往復かかります。答えにくい項目は「分かりません」で構いません
実装が止まったように見えるまず5分待つ。並列で動くため画面に何も出ない時間があります。「いまどこまで進んでいますか」と聞けば状況が返ります
スライド生成でライブラリのエラーエラー文をそのまま貼り付けて「これを直して」と伝える。必要なものを入れて実行し直します
生成した pptx の体裁が崩れているbin/audit.py の出力を貼り付けて直させる。台紙は assets/ADL_Base.pptx が必要です
保管庫の場所を聞かれたObsidian で開いているフォルダを答える。保管庫の中で起動していれば聞かれません
ルールファイルが書き換わった追記のみで、もとの記述は消えていません。Obsidian のファイル履歴で変更前も見られます
途中でセッションを閉じた「50_業務改善 の作りかけのプロジェクトの続きをやりたい」と伝えれば再開できます
本番データを使いたいダミーで数字が合うことを確認してから差し替えます。「本番データに切り替える手順を教えて」と聞いてください